アマゾンの本のジャンル分けの謎

アマゾンの本のジャンル分けの謎
アマゾンの本のジャンル分けの謎

本のジャンルは、

当然のことながら重要だ。

自分が欲しい本や、こんな本が読みたいなというときは、

おおよそのジャンルから、

少しずつ絞り込んでいくという方も多いと思う。

多くの人が関心を寄せるジャンルの一つに

「自己啓発」がある。

英語で自己啓発は、

「Self-Development」

といったりするが、

アマゾンUSAだと、

独立した一つのジャンルとして扱われている。

前述の通り、

「自己啓発」は、

日本では非常に人気のあるジャンルなのだが、

アマゾンUSAのように、

独立したジャンルとはされていない。

では、日本のアマゾンでは、

「自己啓発」のジャンルを

どんなふうに扱っているか?

心理学や哲学の一端としているのだろうか?

確かに、そのジャンルにも

自己啓発本がリストされているので、

半分は正解だ。

しかし、自己啓発という単語で、

しっかりと出てくるのは、

なんと「趣味」のジャンルだ。

「趣味」のジャンルには、

それこそ、他の趣味が燦然とリストされている。

当たり前だ、

趣味のジャンルなのだから。

しかしながら、

「自己啓発」は

その「趣味」のジャンルの

なんと「筆頭」にリストされている。

ますます訳がわからない。

何故、

「趣味」の「筆頭」が「自己啓発」なのか?

「趣味はなんですか?」

「自己啓発です。」

こんな会話を、どこかで聞いたり

自ら率先してした経験があるだろうか?

おそらくないだろう。

とはいえ、

「自己啓発」が「趣味」にリストされるのには

いくつか理由があるのだと推測される。

まず思いつく一つ目の理由は、

書誌学的に、

自己啓発が、趣味ジャンルに位置づけられているため、

ということが考えられる。

図書館の分類番号がそれにあたるのだろうか。

これについては、

専門的に見たことなので、

ちょっと真偽の程は不明だが、

可能性はあるかもしれない。

もう一つの理由は、

「自己啓発」を

「趣味の筆頭」とすることで、

あらゆる趣味の上達に役立つ、

という考え方だ。

趣味が細分化する昨今、

それらを一括して

「向上、上達、熟達させる」

という意識づけが、

「自己啓発」が使えると

考えたからではないだろうか?

「趣味はもっと極めていくと楽しいよ。

ぜひそれを「自己啓発」と位置付けて、

あなたのモチベーション維持に役立ててね」

というアマゾンからのメッセージ、

もっと言えば

意外な老婆心と言えなくもない。

ただ、

アマゾンUSAと日本における

「自己啓発の本」の扱い方の違いが

そのまま、その国のあり方に

繋がっているかもというのは

いささか考えすぎなのだろうか。

「日本のアマゾンにおける

自己啓発本のポジションが変わる」

これこそが

日本が本当に変化する兆しや

機運なのかもしれない。